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投資額100億円。
1年目社員が参加した
一大プロジェクト。

入社1年目の大抜擢

入社1年目の大抜擢

「このチームに新入社員が加わるのは、前例のないことだ」

何人もの先輩社員からそう聞かされた。鋼の圧延(鋼の塊に力をかけて必要なサイズに延ばす工程)を行う数々の設備に100億円もの資金を投じて一新するという、大規模なプロジェクト。社内の各部署から、「機械」「電気」「システム」「操業」を担当するベテラン技術者たちが集められた。その精鋭ぞろいのチームになぜか加わることになったのが、当時入社1年目の河合である。

河合が現在所属する設備部は、新規設備の導入を手がけるほか、製造所内のあらゆる設備・機械の管理や技術支援を担当する部署だ。「設備の専門家」としてのプライドを込めて、彼らは自らを“設備屋”と呼ぶ。

一大プロジェクト当時に在籍していた建設部で、「設備屋が一人前になるには10年かかる。10年目でやっと一人前としての1年目だ」

プロジェクトリーダーからそう聞かされ、覚悟を決めて業務をスタート。しかし、協力業者との打ち合わせに同席しても、先輩たちが話す言葉の意味がまったく分からない。そんな河合に対して上司は、「理解に徹しろ」とだけ伝えた。それからは、分からない言葉をすべてノートに書き出し、仕事が終わった後に図書館などを利用して意味を調べることにした。毎日2~3時間の復習。先輩たちの話の中身が理解できるようになった時、すでに半年近い時間が過ぎていた。

仕事に慣れるにつれ、自分なりに考え始めたこともある。それは、多忙を極める先輩たちの負担を減らすために先回りして行動すること。仕事の中で疑問が生じてもすぐに質問するのではなく、できる限り自分の頭で考えて行動することにした。しかしその選択が、河合の誤算だった。

失敗経験から
学んだこと

失敗経験から学んだこと

「俺の話をちゃんと聞いていたのか?」

頼まれていたデータ解析の結果を見せた時、一人の先輩から厳しい口調で言われた。自分では100%の状態に仕上げて提出したつもりが、先輩が望むものにはなっていない。結局、先輩がやり直すことになる。その後も似たようなことが何度か繰り返された。

「分からないなら、先に質問しろと言っているだろ。なぜ俺に聞かずに進めたんだ」

自分としては、考えを持って行動したつもりだった。しかし良かれと思って行動した結果、意思の共有ができずミスが生じている。反省はもちろん必要だが、もっと根本的な部分を話さなければ前には進めない気がした。多忙な先輩方のことを考えての行動だったこと。その前提に、レベルの高いチームに選ばれたことへの重圧があったこと。今まで考えていたことを思い切って伝えた。1時間半にも及ぶ長い会話。最後に先輩はこう言った。

「お前の考えは分かった。でもこれからは、そういうことは気にしなくていい。俺がどんなに忙しい時でも、遠慮せずに質問して来い。お前が失敗しても俺がフォローするから心配するな」

その言葉を聞いて、胸のつかえがすっと下りた。不必要な遠慮をせず、何でも質問できるようになった。しかもただ質問するのではなく、自分の意見をセットにして「相談」として伝える。そうすればチーム全体が前に進むための有意義な会話になる。今自分がするべきことは何だろう。この設備は何のために存在するのだろう。常に「なぜ」を頭に置いて行動するようになった。

お前がこの役割を果たせ

お前がこの役割を果たせ

約2年のプロジェクトが終盤に差し掛かった、ある日のこと。夜20時頃まで残業していると、プロジェクトリーダーである上司と偶然2人きりになった。この上司は、過去数十年にもわたって大規模なプロジェクトを推進してきた、社内の第一人者。手元を見ると、工事工程表を作っている最中だった。工事工程表とは、設備の導入に関する人やモノの動きをトータルに管理し、その進捗を把握するための資料である。機械、電気、システム、操業などあらゆる担当業務を理解し、それをマネージメントできなければ工程表を作ることはできない。その重要さを河合はすでに理解していた。そしてその時、上司がつぶやくように言った言葉は、河合にとって忘れられないものとなった。

「いずれはお前が、この役割を果たすようになれ」

いつも上司や先輩に迷惑ばかりかけている自分に、そこまで期待をかけてくれている。こうして自分に大切なことを伝えようとしてくれている。このチームの一員として仕事ができることに、河合は改めて感謝の気持ちを抱いた。

やがてすべての工程を経て、プロジェクト終了の時。スタートボタンが押されると、圧延設備が力強く動き始めた。電気炉で溶かされた鉄が、鋼の塊となってラインに流れてくる。どれだけの力をスラブ(鋼片)に加え、圧延機の間を何回行き来させて、目的の長さに仕上げるのか。数えきれないほど考え抜いた結果が、こうして形になっている。一枚の鋼板を作るために、積み重ねなければならないものの重さを感じた。

常にお客様を意識する

常にお客様を意識する

どのような設備を作る場合でも、最初は「こんなものを作りたい」という大まかなイメージから出発する。それを実現するための具体的な方法を考え、図面に落とし込み、何十社もの協力会社とコミュニケーションを取りながら形にしていくのが、河合たちの仕事である。

良い設備を作れば、それを使うオペレーターの業務効率が高まり、快適に仕事ができるようになる。「ありがとう」「使いやすくなったよ」という言葉を聞いた時が、河合が一番大きな喜びを感じる瞬間だ。

「私たち設備屋は、工場で働く人たちのために設備を作り、工場の人たちはお客様のために製品を作ります。だから私たちは、最終的なゴールであるお客様の満足を常に意識しながら、設備に向き合う必要があるのです」と河合は言う。製品のQCD(品質、コスト、納期対応力)をより高いレベルに引き上げ、お客様の満足に貢献するのが、当社としての使命。全社の長期的なビジョンに基づいた設備の導入・更新は、今も絶えず続けられている。

河合が入社して10年。専門である機械分野の担当者としてはもちろん、技術者を束ねるプロジェクトリーダーとしても活躍する機会が増えている。河合がめざすのは、仲間と同じ目標を共有してゴールに突き進んでいけるような、連帯感のあるチームを作ること。入社2年目の時、一枚の工事工程表とともに上司が示してくれた理想のリーダー像はまだはるか先にあるが、たとえ一歩ずつでも近づいている確信はある。「一人前としての1年目」を迎え、仕事への情熱は強まるばかりだ。